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個人が支払った損害保険料のうち一定金額を限度に、所得税(国税)、住民税(地方税)の計算の基礎となる課税所得から控除できる制度です。
控除された金額に税率を乗じた額だけ、所得税、住民税の負担が軽減されることになります。
控除対象になる保険種目は以下の通り限定されています。
・保険契約者本人もしくは本人と生計を一にする配偶者その他の親族が所有し、かつ常時居住する家屋または生活用動産を保険の目的とする損害保険(火災保険など)。
個人事業主など、個人の業務上の店舗・什器などに対する損害保険は対象にならず、あくまで生活用の資産のみが対象になります。
また、自動車は生活用動産とはみなされていないため、自動車保険、自賠責保険は損害保険料控除制度の対象種目にはなっていません。
・保険契約者本人もしくは本人と生計を一にする配偶者そのほかの親族の身体の傷害・疾病に起因して保険金が支払われる損害保険(傷害保険、医療費用保険、介護費用保険)。
控除限度額は以下の通りです。
・長期保険契約(保険期間一〇年以上で満期返戻金付のもの)所得税-一万五〇〇〇円住民税-一万円・短期保険契約(長期保険契約に該当しないもの)所得税-三〇〇〇円住民税上一〇〇〇円・損害保険料控除の対象となる長期保険契約一短期保険契約のどちらもある場合には、所得税においては、長期保険契約は一万五〇〇〇円、短期保険契約は三〇〇〇円を限度として計算し、更に双方を合算して一万五〇〇〇円か控除限度額となります。
また、住民税においても同様に、長期保険契約は一万円、短期保険契約は二〇〇〇円を限度として計算し、更に双方を合算して一万円か控除限度額とされています。
個人の事業所得、不動産所得、山林所得、雑所得については、収入金額から必要経費を控除した金額が課税所得となり、所得税計算の基礎となりますが、原則として支払った損害保険料のうち当該所得に関連のある部分にかかる金額(生活関連の損害保険料は対象になりません)は、必要経費として控除して、課税所得の計算を行うことができます。
この扱いは、所得税だけでなく、住民税、事業税などの地方税においても同様です。
損害保険料控除制度と異なり、必要経費に算入できる保険種目には特に限定はありません。
また、特に限度額にも定めはなく、その事業等に関連して支払った損害保険料全額が必要経費として控除できます。
積立保険の支払保険料のうちの積立保険料部分(六〇ページ参照)については資産計上し、支払保険料から積立保険料を差し引いた残額のみが必要経費として控除できます。
雇用主が契約者となり、その役員・使用人及びその親族のために傷害保険や住宅・生活用動産の火災保険の保険料を負担することがあります。
これによって役員・使用人が雇用主に支払ってもらった保険料は、給与とは見なされず所得税はかからないという税法上の特典が認められています。
雇用主は、支払った保険料を必要経費(福利厚生費)として控除できます。
ただし、特典の対象は、傷害保険や住宅・生活用動産の火災保険に限られ、例えば雇用主が業務用とは認められない役員・使用人の自動車保険料を負担した場合には、その金額は給与と見なされます。
損害保険に関して受け取った保険金は原則として所得税・住民税は非課税になります。
住宅や生活用動産ではない事業用の資産であっても、同様に非課税です。
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ただし、事業用の資産に事故が発生した場合、損害額は必要経費に算入できるものの、保険金を受け取った金額は損害額から控除され必要経費にはなりません。
なお、得られるべき利益や固定費の損失を補償する利益保険の保険金は課税対象になります。
なお、傷害保険の保険金について、傷害を受けた人本人が保険金を受け取る場合には非課税となりますが、死亡保険金など、傷害を受けた人本人と保険金受取人が異なる場合には、相続税の問題が生じます。
個人が積立保険の満期返戻金・契約者配当金を受け取った場合、もしくは保険期間の中途で解約し解約返戻金を受け取った場合、その金額は一時所得の扱いとなります。
ただし、受け取った金額の合計額から、それまでに支払った保険料の総額及び特別控除額(五〇万円)が控除できます。
ただし、保険期間五年以内で一時払の積立保険でかつ補償倍率(保険金額/満期返戻金額)が五倍未満と貯蓄性の高い保険契約については、差益(満期返戻金・契約者配当金丿支払保険料総額)に対して二〇%の源泉分離課税がなされています。
なお、全損失効(六一ページ参照)の場合は、資産に計上した積立保険料部分を必要経費に算入することができます。
と損害保険企業が負担する法人税については、益金から損金を控除した課税所得を基礎にして計算されますが、支払った損害保険料は、当該所得に関連があれば、損金として控除して、課税所得の計算を行うことができます。
この扱いは、法人住民税、事業税などの地方税においても同様で、損金に算入できる保険種目には特に限定はなく、また、特に金額の限度額にも定めはありません。
なお、法人の場合は、支払った保険料のうち、翌事業年度以降にかかる部分は前払費用として、翌年度以降に繰り越さなくてはなりません。
ただし、一年以内に満期が到来する保険については支払保険料の全額を、当該事業年度の損金に算入することができます。
積立保険の扱い、雇用主が契約者となり、その役員・使用人及びその親族のために傷害保険や住宅・生活用動産の火災保険の保険料を負担した場合の扱いについては、個人の場合と同様です。
損害保険に関して、法人が受け取った保険金は原則として益金算入され法人税課税の対象になります。
事故により損害額は損金算入ができますので、両者は課税所得の計算上、相殺されることになります。
ただし、損害保険は時価を保険金額として付保されますが、企業会計は簿価(取得原価から減価償却費を控除した金額)がベースとなります。
事故により損害を被った資産の簿価が時価よりも低い場合などは保険差益が発生することになりますが、保険金によって損害を被った資産と同種類の資産を取得した場合は、圧縮記帳の方法により課税の繰り延べを行うことができることがあります。
積立保険の積立保険料部分は資産計上されますが、満期返戻金・契約者配当金を法人が受け取った場合、もしくは保険期間の中途で解約し解約返戻金を受け取った場合、資産計上された積立保険料部分は損金に、満期返戻金等は益金の扱いとなり、差額が課税対象になります。
個人の一時所得のような特別控除制度はありません。
なお、全損失効の場合は、資産に計上した積立保険料部分を損金に算入することができます。
本節では、わが国の損害保険市場について見ていきます。
一九九八年十二月末現在、わが国に本社を置いて営業している損害保険会社は三五社あります(表3-I参照)。
この内訳を見ると、まず、会社形態別には、株式会社が三三社、相互会社が二社です。
更に、再保険専門会社が二社(いずれも株式会社)あります。
また、外資系の会社が六社あり、更に一九九六年に保険業法改正に伴って生命保険会社が損害保険子会社を設立することが認められましたが、六社が設立されています。
損害保険株式会社は、通常の株式会社と同様に商法の規定によって設立されますが、損害保険相互会社については商法に根拠法はなく、保険業法の規定に基づいて設立されています。
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